+++++Side京+++++
「何……言っちょるけん」
握った綾の手に、無意識に力を入れた。
「ずっと……言わなくてごめんね。綾……綾が……好きだから」
ポタリポタリと、繋がれた手に綾の涙が落ちた。
「好きで……京に……っ嫌なの……」
混乱しちょるんじゃろう、言葉がめちゃくちゃだ。
「……綾。無理せんでいいが。ゆっくり、一個ずつしゃべって」
綾は涙を拭って話し始めるけど、拭う度に大きな瞳には涙が溜まる。
「綾……京が好きだよ」
「うん」
「……でもね、綾、病気なの」
「うん」
「綾、京に心配かけるのが嫌で……嘘ばっかついてて……」
「うん……」
「……綾を好きになってくれて……ありがと……」
「……ん」
「京……もう充分だよ」
「…………」
「綾が病気だって知って……嫌になったでしょ?」
「……ならんが」
「嫌いになったでしょ?」
綾は体の水分が全て涙に使われているんじゃないかと思うほど、泣き続けていた。
「嫌いになんかならん」
「6年だよ!!」
綾が声を張り上げて、見上げると思いきり眉を寄せて、大きな瞳からまた涙が零れ落ちた。
「……もう6年も治療してるのにっ……治ってないんだよ……」



