「それって……どういう……」
京は混乱していた。綾までどうすればいいか分からなくなってくる。
「……心臓が悪いわけじゃないの。心臓の壁になってる筋肉があってね? それが時々大きく膨らむことがあって、病院行っても原因が分からなくて。……でも念のために薬飲んでるし、定期的に検査もしてる」
段々と声が震えてきた。
やばい……泣きそう……。まだ……まだ言わなきゃいけないことがあるのに……。
止まって、止まって。まだ流れないで。
「あ……綾……綾ね……」
やっとの思いで震える声を絞り出した。
「いつ死ぬか、分かんないの」
空気が重くなるのを感じる。
そばにいた京ママが、今にも泣きそうだ。京は、綾を見つめるのをやめた。
グッと、歯を食いしばる。
まだ……まだ言わなきゃいけないことがあるのに……。
目を逸らされただけで傷付く権利なんて、綾にはないのに。



