「けーい? あれ? 愛しの綾だよ?」
「綾……」
「えっ、ツッコんでよ!」
呆然とする京に、綾は成す術がない。
「えと……とりあえず、お邪魔します……」
玄関に足を踏み入れると、京に背を向けられてしまった。
「京……?」
よく見ると、京の肩が震えていた。ちくりと胸が痛んで、足を前に進める。
「……京……泣いてる?」
隣に立ち、顔を覗く。
「泣いちょらんっ」
「……うる目じゃん」
「……やべえ」
京は手で顔を覆い隠し、指の間から涙がつたっていた。
「……元気だよって、手紙書いたじゃん」
「逢いたかった……」
小さい声で、震える声で、京は確かにそう言った。
「綾もだよ」
そう言うと、顔を隠していた手が綾に伸びてくる。
京は綾を確かめるように、ギュッと抱きしめてくれた。
「……綾も、ずっとずっと逢いたかったよ」
京の胸に抱き締められながら、ポツリと囁いた。
ずっと逢いたかったよ、京。



