綾を守ったから、ママがいなくなった。 綾が病気だから、パパは仕事に行けない。 綾が泣き虫だから、京に心配ばかりかける。 強くなりたい。 強くなりたい。 もう、こんな自分は嫌だよ。 沢山の薬を一気に飲み込んだ。 喉を通る、命を繋ぐ悲しい薬。 「……ママ……」 テーブル脇に置いてある写真立てを見ながら、ひと筋の涙を流した。 綾は、強くなる。強くなるから。 ママが守ってくれたこの命を、きっと輝かせてみせるから。 どうか、空で見ていて。