「なっ……何言ってんの京……っ」
恥ずかしさに耐えきれず誤魔化すけど、京は黒目がちの大きな瞳で真っ直ぐ見つめてくる。
いきなり何言いだすの!? しかも律兄の前で!
「……へ〜。やるじゃーんっ。さすが俺の弟っ」
おちゃらけて言う律兄を、京はイラッとした様子で睨んだ。
「はいはい、分かった。邪魔者は消えちゃるけん」
「よっ」と律兄が立った瞬間、綾の手が引かれた。
「へ?」
「いーが。俺たちが上行くけん」
「ん?」
「彼女もいない律兄は、リビングでまったりお茶でもすすっちょれば?」
京はニヤリと笑うと、固まっている律兄を尻目に綾の手を引いて2階に上がった。
京の部屋に入って暫くして、律兄が悔しそうに叫んでいた。
「り……律兄彼女いないの?」
「だけん、あんなに悔しそうに叫んどるが」
未だにドキドキしてる綾に気付かず、京はテーブルの前に座りながら笑っている。
何か、悔しくて……考えるより先に口走ってしまった。



