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梅雨に入り、雨が降る毎日。外で遊べないから退屈で仕方がない。
「そういえばさぁ」
給食で綾が残した牛乳を飲み干す京が、思い出したように問い掛けてきた。
「何?」
「春にさ、陸と陽子ケンカしちょったじゃろ? あれ、原因何かや?」
無邪気に聞く京だけど、綾はたまらず思い出し笑いをする。
「なーんだーよー」
教えろと京が駄々をこねるから、綾は笑いを堪えて教えてあげた。
「饅頭の中身は、つぶあんか、こしあんか」
「…………」
ぷぷ……。固まってる固まってる。
「あんだけ深刻そうに謝っちょいて!?」
京はあからさまにガーンって、顔に書いてある。
「意味分からん……。どっちでもいいが……」
机に顎を置いて、ぐったりしている京。可愛い……。
ひとり和んでいると、京は急に眉を寄せて綾を見つめた。
「……ケンカしたことあるかや?」
「ないね」
主語がなくても分かった。綾と京、ケンカしたことない……。言い合いはするけど、その後すぐ普通に口きくし……。
「「微妙〜」」
ふたりの声がハモる。しょっちゅうあるので、もう驚かない。
「それってどうなのかや」
「微妙〜」
「ケンカしたいかや?」
「微妙〜」
変な会話っ。
「仲悪いよりは、いいんじゃない?」
「ん」
……京、「ん」って言うの癖だよなぁ。「う」の一文字ぐらい、省かなくてもいいのに。



