綾はずっと孤独だったんかな……。
きっと、そうなんじゃろう。
明るい笑顔の裏に、暗く重い恐怖を抱えちょったんだ。
守りたい。そう思った。
ずっと一緒にいたい。本気で思った。
綾の涙を、積もった雪が吸い込んでいた。
まるで綾を慰めるかのように、その雪は大きく大きく、どこまでも続いていた。
「……俺、綾が好きだけん」
目を見開いた綾と、目が合う。大きな瞳を真っ直ぐ見つめたまま、俺はゆっくりと言葉を紡いだ。
「ずっと一緒におる。守っちゃる。俺が綾にとって、何よりも大きい存在になっちゃるけん」
綾はグッと唇を噛み締めて、瞳からは涙がとめどなく溢れた。
「俺が全部、受け取っちゃるが」
綾の両手が伸びてきて、そのまま俺は体ごと綾を引き寄せる。
「最初から最後まで……綾も同じ気持ちだよ」
綾が俺の胸に顔を埋めながら、囁いた。
最高に幸せな時間。
綾と俺は、同じ想い。
ずっと一緒にいると、誓ったふたり。
だけど俺の決意が、未来を少しずつ変えていったんだ。
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