箱の中に入ってるのは、小さなハートがついたネックレス。
綾の誕生日を知ってから、ずっと何を贈るか悩んどったんじゃけど。
直姉のお見舞いで街に行った時、直姉に相談に乗ってもらって、ひとりで買いに行った。
「みんなとは別の、俺からのプレゼント」
「……なんで……?」
「何でって言われても困るけど……感謝の気持ちも込めて……のつもりだけん」
「……感謝?」
言わせんのか。
「……家のこととか……」
「ふふっ。バカだね、京」
綾の目から、涙が落ちる。
「……それって喜んでんのかや?」
「すごい嬉しいよ?」
「なら良かったけん」
沈黙が流れ、俺が破った。
「じゃあ……帰るけん」
「ん……」
綾は涙を拭って俯き、俺は玄関を開けて外に出る。その時、綾が俺を呼んだ。
「本当にありがとうっ」
満面の笑みで言った綾を、素直に可愛いと思った。
「……また明日」
帰り道、俺はずっと綾の笑顔を思い浮かべちょった。
真っ暗な夜道。
生暖かい風が吹き抜けた。



