「腕……」
陸がぽつりと言うと、陽子が思い出したように手を叩く。
「そうだっ。クマの腕! 綾いっつも髪邪魔って言っちょるし、もう夏だしねっ」
綾の隣に座る陽子がクマの腕を指さすと、綾がクマの腕を見る。
そこには髪ゴムが結んであった。
黒いゴム紐に、花びらが透けているピンクの薔薇。陽子と陸からのみんなからとは別のプレゼントじゃろう。
綾の髪は腰まであるロングヘアで、いつも邪魔だとぼやいちょったから。
綾は髪ゴムをじっと見つめて、眉を寄せたと思ったら、また泣き出した。
「みんな大好ぎだぉ〜!!!」
綾の変な言葉に、みんなが笑った。



