早いもんで、もう6月。
綾が転校してきてからというもの、毎日毎日、あっという間に過ぎちょる。
「何か楽しいことないかやー」
机に顎を乗せて溜め息じりに言うと、隣に座っていた綾が目を輝かせた。
「あるよっ! 楽しいこと!!」
「何!? 何なに!?」
「来月、綾の誕生日っ!」
「……楽しいの綾だけだが」
気が抜け、俺は呆れた顔をする。
「綾ん家でパーティーしようよ! それでケーキ作って、唐揚げ買って、お泊りしよっ。うん! 決まりーっ」
勝手に決めちょるし……。
……でもまぁ……楽しいかも?
やる気になった俺は、1ヵ月後にせまる綾の誕生日パーティーに向けて計画を練り始めた。
4年生の時ほど親しくない今のクラスと、仲良くなるチャンス。
俺はみんなで騒ぐことが好きじゃから、この機会に仲良くなりたい。
目指すは、綾の誕生日。



