「失礼しまーす…」
病院に着くと二人はそっと、泉の名前が書かれた個室を覗き込む。
「あ、瞳子ちゃんに亜由美ちゃん!来てくれたのね。嬉しい!」
「泉さん!わー、おめでとうございます!お身体、大丈夫ですか?」
「ええ。まだちょっと筋肉痛が残ってる感じだけど、元気よ」
「良かった!」
そして二人は、泉のベッドの横に置かれた小さなベビーコットに気づいた。
「あ!もしかして、赤ちゃん?」
「そう。よく寝てるけどね。良かったら二人とも、抱っこしてくれる?」
「いいんですか?!」
瞳子と亜由美は手を取り合って喜ぶと、その前に手洗いしなきゃ!と洗面所に向かう。
戻って来ると、泉が腕に赤ちゃんを抱いていた。
「ひゃー!泉さん、神々しい!聖母マリア様のよう」
「やだ!そんな大げさな…」
「でも本当にオーラがキラキラしてますよ」
「もう、そんなにおだてなくていいから。ほら、瞳子お姉さんと亜由美お姉さんですよー」
そう言って泉は、赤ちゃんを二人に近づける。
「きゃー、可愛い!初めまして、えーっと、お名前は決まったんですか?」
「うん。洋平と泉、どちらも水を連想するから、海斗って名づけたの」
「海斗くん!かっこいい!初めまして、海斗くん」
呼びかけると、ぼんやりと目を開けた。
「わっ!私の顔見てくれた!」
「違いますよ、瞳子さん。海斗くん、私と目が合ってますもん」
「ええー、私のこと見てくれてるわよ?」
「私ですって」
不毛な言い合いに、泉が苦笑いする。
「ほら、じゃあまずは瞳子ちゃんからね」
そう言って泉は、そっと瞳子の腕に海斗を抱かせた。
「ひゃっ、軽い!けど重い」
「瞳子さん?何言ってるんですか?」
「だって、生命の重みが…。あー、肩に力が入っちゃう。でも可愛い!ふわふわしてて、柔らかい!海斗くん、初めまして。よろしくね」
瞳子は、ふふっと海斗に笑いかける。
「瞳子ちゃん、抱っこ上手ね」
「え、ほんとですか?」
「うん。いつでもママになれるわね」
すると亜由美が負けじと手を上げる。
「泉さん、私も私も!」
「はいはい。ほーら、海斗。次は亜由美お姉ちゃんよー」
「やーん、可愛い!まさにエンジェル!海斗くん、ママでしゅよー」
「ちょっと!亜由美ちゃん?!」
真顔で突っ込む泉に、亜由美も瞳子も、あはは!と笑う。
海斗を泉の腕に返すと、たくさん写真を撮り、二人はようやくお祝いを手渡した。
「何かしら。わあ!可愛いお洋服!」
「でしょ?泉さん、背中も見て」
「どれ?あっ、これって天使の羽?」
「そうなんです!サイズは今は少し大きいけど、いつか海斗くんに着せて写真送ってくださいね」
「うん、分かった。ありがとう!亜由美ちゃん、瞳子ちゃん」
泉は嬉しそうに微笑んで、「良かったわねー、海斗」と話しかける。
「それと、これは泉さんに」
瞳子がもう一つ紙袋を差し出すと、泉は、え?と首をかしげる。
「私に?」
「ええ。アロマオイルとバスソルト、あとはラベンダーの香りのアイマスクも入ってます。育児で忙しい合間に、リラックスタイムを楽しんでくださいね」
「わあ、嬉しい!自分のことなんて何も考えてなかったわ。そうね、出産お疲れって、自分を労るわね」
「はい、ぜひ!」
嬉しそうな泉の様子に、瞳子と亜由美も笑顔になる。
3人は海斗を囲んで、おしゃべりを楽しんでいた。
病院に着くと二人はそっと、泉の名前が書かれた個室を覗き込む。
「あ、瞳子ちゃんに亜由美ちゃん!来てくれたのね。嬉しい!」
「泉さん!わー、おめでとうございます!お身体、大丈夫ですか?」
「ええ。まだちょっと筋肉痛が残ってる感じだけど、元気よ」
「良かった!」
そして二人は、泉のベッドの横に置かれた小さなベビーコットに気づいた。
「あ!もしかして、赤ちゃん?」
「そう。よく寝てるけどね。良かったら二人とも、抱っこしてくれる?」
「いいんですか?!」
瞳子と亜由美は手を取り合って喜ぶと、その前に手洗いしなきゃ!と洗面所に向かう。
戻って来ると、泉が腕に赤ちゃんを抱いていた。
「ひゃー!泉さん、神々しい!聖母マリア様のよう」
「やだ!そんな大げさな…」
「でも本当にオーラがキラキラしてますよ」
「もう、そんなにおだてなくていいから。ほら、瞳子お姉さんと亜由美お姉さんですよー」
そう言って泉は、赤ちゃんを二人に近づける。
「きゃー、可愛い!初めまして、えーっと、お名前は決まったんですか?」
「うん。洋平と泉、どちらも水を連想するから、海斗って名づけたの」
「海斗くん!かっこいい!初めまして、海斗くん」
呼びかけると、ぼんやりと目を開けた。
「わっ!私の顔見てくれた!」
「違いますよ、瞳子さん。海斗くん、私と目が合ってますもん」
「ええー、私のこと見てくれてるわよ?」
「私ですって」
不毛な言い合いに、泉が苦笑いする。
「ほら、じゃあまずは瞳子ちゃんからね」
そう言って泉は、そっと瞳子の腕に海斗を抱かせた。
「ひゃっ、軽い!けど重い」
「瞳子さん?何言ってるんですか?」
「だって、生命の重みが…。あー、肩に力が入っちゃう。でも可愛い!ふわふわしてて、柔らかい!海斗くん、初めまして。よろしくね」
瞳子は、ふふっと海斗に笑いかける。
「瞳子ちゃん、抱っこ上手ね」
「え、ほんとですか?」
「うん。いつでもママになれるわね」
すると亜由美が負けじと手を上げる。
「泉さん、私も私も!」
「はいはい。ほーら、海斗。次は亜由美お姉ちゃんよー」
「やーん、可愛い!まさにエンジェル!海斗くん、ママでしゅよー」
「ちょっと!亜由美ちゃん?!」
真顔で突っ込む泉に、亜由美も瞳子も、あはは!と笑う。
海斗を泉の腕に返すと、たくさん写真を撮り、二人はようやくお祝いを手渡した。
「何かしら。わあ!可愛いお洋服!」
「でしょ?泉さん、背中も見て」
「どれ?あっ、これって天使の羽?」
「そうなんです!サイズは今は少し大きいけど、いつか海斗くんに着せて写真送ってくださいね」
「うん、分かった。ありがとう!亜由美ちゃん、瞳子ちゃん」
泉は嬉しそうに微笑んで、「良かったわねー、海斗」と話しかける。
「それと、これは泉さんに」
瞳子がもう一つ紙袋を差し出すと、泉は、え?と首をかしげる。
「私に?」
「ええ。アロマオイルとバスソルト、あとはラベンダーの香りのアイマスクも入ってます。育児で忙しい合間に、リラックスタイムを楽しんでくださいね」
「わあ、嬉しい!自分のことなんて何も考えてなかったわ。そうね、出産お疲れって、自分を労るわね」
「はい、ぜひ!」
嬉しそうな泉の様子に、瞳子と亜由美も笑顔になる。
3人は海斗を囲んで、おしゃべりを楽しんでいた。



