目を細めるその仕草に、どうしようもなく甘さを感じて胸がざわつく。 「僕だよ、忘れちゃった?」 顔をのぞきこまれ、瞳の中に閉じ込められる。 脳をゆすられた。 記憶が奔流のようによみがえってくる。 「羽生(はにゅう)……先輩……」 自分でも驚くほど掠れた声で言えば、目の前の男は、それはそれは嬉しそうに破顔した。