成生くんの言葉が脳裏をよぎる。
──ここの住人のことは誰も信じるな
「ベンタ、ずっとそばにいろよ、ベンタ」
まるで無垢なこどもを彷彿とさせた。
赤い衣装の布をギュッと握りしめ、目をキラキラさせながら、次元の狭間でうつろに夢を語るポピィ。
すべてを削ぎ落とした世界で、わたしの死すらその腕に収めたいとただ純粋に求める横顔は、またしてもこの胸を締めつける。
信じちゃだめなのに、怖いのに。
あまりにひたむきな執着に儚さすらおぼえてしまう、わたしは
「……ごめん、ポピィっ」
その場を立ち去った。
これ以上、夢物語を聞いてはいけない気がした。
追ってはこなかったけど、背中には悲しいくらい強い視線が突き刺さっていた。



