「いたく……ねぇ?」
「……」
「いたいんだな。そうだよな」
「……」
「せめてシーツ替えよう。そっちのソファに座ってろ」
膝の下に腕を差し込まれる。
遠慮がちなお姫様抱っこでわたしをソファに寝かせると、成生くんはテキパキとシーツや毛布を新しいものに取り替えていった。
舌がジンジンする。
膝も、まだ痺れるような痛みが残ってるけど、もうずっと痛いばかりで慣れてきてしまった。
そしてまた、丁寧な手つきでまっさらなシーツの上に横たえられる。
「……ベンタ」
わたしのくちびるを撫で、開かせる。
指でたしかめるように舌をなぞれば、また成生くんの表情は暗くなる。
「そうだったな……おまえ、いま喋れないんだっけ」
「……」
「またあとで教えろよ。なにされたのか、ぜんぶ。嘘ついたらただじゃおかねーからな」
「……」
「今晩は一緒に寝る。ヘンなことはしねーから安心しろよ。またポピィの野郎が来ても守れるように、そばにいさせろ」
わたしの隣へすべりこみ、ピンク色のテーブルランプを消灯した。
レースカーテンからこぼれる月明かりに照らされた成生くんは、わたしのことをじっと見つめていた。



