『ハ……ハハッ、さっすが……あいかわらず容赦ねェ野郎だぜ……』
「言え。なぜベンタに近づいた」
『久々にこんなイカれた客が来たから、からかっただけさ。テメーら人間どもにはちっと刺激が強すぎたみてェだけど』
ついさっきのわたしとのやりとりなどまるで無かったかのような口ぶりで話していくポピィ。
こどものように縋ってきたあの姿はまぼろしだったの??
「ベンタに触れるな。視界に入れるな」
『そりゃむりだ。こんなおもしれぇオヒメサマ、かまわねーほうがもったいねェ』
「オヒメサマ……は否定しねぇよ。でもおまえのお姫様じゃない」
『じゃーおまえのだって言いたいのか?まるで所有物だな?』
「ベンタはおれのものだ」
成生くんは無表情に、ポピィの手首を撃った。
ちぎれる肉塊。
同時にパァン!と音を立てて、身につけていたリストバンドが弾けていく。
ハートや星のビーズたちが床に転がり、原型をなくした。
『あ……』
一瞬、ポピィが悲しそうな顔をする。
しかしすぐに目尻を尖らせ、強気に笑う。
『しゃーねぇなァ。これ以上このおっかないオウジサマに蜂の巣にされるわけにはいかねーし。悪者はここで退散しますよ。それでいーだろ?』
ポピィは床に落ちた手首の残骸を拾いあげ、足を引きずりながら扉に歩いていく。
『またな、ベンタ。はやく治せよ』
わたしを一瞥すると、去っていった。



