ポピィの動きがぴたりと止み、覆い被さっていた体が静かにうしろを振り返る。
ひらけた視界の先には、成生くんが立っていた。
その眼光には底冷えするような怒気が滲んでいて、わたしに向けられたものではないと分かっていてもゾッとする。
客観的に見るととんでもない状況だよね……。
足から大量の血を流したクラスメイトが、道化師に乗りかかられているんだもん。
いくら成生くんでもきっとスルーはできない事案。
「もう一度だけ言う。ベンタから離れろ」
成生くんはそう告げると、ベッドの上に転がる銃を拾い、その銃口をポピィにかざした。
「離れないのなら、これでおまえを殺す」
慈悲の感じられない冷酷なまなざしに、唾を飲んだ。
こわい。
まるで成生くんじゃないみたいだ。



