【短編】虹色に願う放課後

薄暗く閑静な階段に、自分の間抜けな声が響く。


連絡先は交換しているものの、下の名前は教えていない。アプリの登録もお互いに名字のみ。

クラスメイトから聞いたのか、先生に聞いたのか。はたまた盗み聞きしたのか。


情報の流出源も気になるけど……。



「私に話しかけられるまでずっと待ってたの⁉」

「そーだよ。面識もないのに、軽々しく話しかけたら警戒されるでしょ?」



いやいや、出会って2回目で強引に誘い込むほうが断然警戒されるから!

アンニュイな雰囲気醸し出してる裏で、ずーっと私の様子うかがってたの……⁉


じゃああの早口オタトークは、話しかけてもらえた嬉しさでつい……だったのか……。



「……ちなみにこれ、いつ作ったの?」

「ん? こないだの3連休だけど」

「どこで? 家? 図書室?」

「家しかないでしょ。ラミネートは図書室のやつを使わせてもらったけど」



ゾゾゾっと、蒸し暑い空間にも関わらず、鳥肌が立つ。



「なんで? 誰かに作ってもらったと思ってた?」

「違う。……私も、作ってたんだよ」