キミと踏み出す、最初の一歩。

「よし、終わった。帰るか」

「はい」


勉強会が終わった後、一緒に帰るのも恒例のようになっていた。


「それにしても、もう明後日から夏休みかー」

「……プリントも明日の分で終わりだし、これで夏休み明けのテストも大丈夫ですね」

「いやさすがにそれは無理だろ。……白咲さんは夏休み中は何してんの?」

「え?夏休み?」

「うん」

「いや……特に予定もないので、図書館に行って宿題終わらせるくらいかな……と」

「あぁ、そういえば近所にデカい図書館あったな」


ふーん。と興味なさそうに言う川上くんに、バクバクしていた心臓が少し落ち着く。


びっくりした……。急に夏休みのこと聞かれたから、何か誘われるのかと思った……。


そんなわけないのに、わたしってば最近川上くんと会話できるようになったからって調子乗りすぎじゃない?


落ち着け落ち着け。平常心。

そんなことを考えていると、あっという間に私たちの分かれ道にきた。


「じゃあ、また明日」

「はい。また明日」


いつしかそんな挨拶も当たり前のようになっていて、夕日を浴びていつもよりさらにキラキラと輝く金髪の後ろ姿を見つめる。

そんなタイミングでわたしのスマホが鳴り、お母さんからの電話に慌てて出ながら家に帰った。