ピピピピ、ピピピピッ……

 基本的に朝はすっごく弱い私は、今日も今日とてベッドの上でもぞもぞしていた。

 んー、まだ寝てたい……。

 ロングスリーパーなのか、なかなか目が冴えきらなくてアラームを無視してしまう。

 それでも私が毎朝決まって6時半に起きれるのには、ある理由があった。

「おはようございます、お嬢様。」

「……あと5分……もうちょっとだけ……」

 一回は必ずこうやって貴重な5分をせがむ。

 それで優心君が許してくれた事は、一回たりともないんだけど。

 私のささやかな抵抗を何とも思っていなさそうな、優心君のいたずらめいた声がベッドの上に乗っけられる。

「起きなきゃ無理にでも起こすけど、それでもいい?」

「……よくないっ! 優心君、いつも容赦なくシーツ剥がしてくるからダメ!」

「ふふ、起きましたねお嬢様。おはようございます。」

 あ……起きてしまった。

 優心君に無理やり起こされるくらいなら自分で起きたほうが……とは思ってたけど、まさか優心君の思惑にはめられるなんて。