「…おい?どうした?」

「あ、…すみません‼︎なんでもない、です…!」

「…?そうか。」

number oneが生徒会室と書かれた扉を開く。

私は、急に緊張してきた。

「悪い。遅くなった。」

生徒会室で待っていたのは。
number oneと同じ、狼様。

生徒会って…男子しかいないの…⁉︎
それも、最強男子ばっかり…。

「おい。こいつ、誰ー?」

狼様の1人が私に聞いた。

「え、えっと…」

その男子の纏うオーラが鋭くて、冷たくて…

私は言う事を忘れてしまった。

私があわあわしていると…

「あぁ。こいつは、これから生徒会の一員となる、来栖莉華だー。」

number oneがそう言った後。
しばらく沈黙が続いて…

ようやく、可愛い系の男子が口を開いた。

「何で女子なの…?ここは男しかいないのに。」

その男子が言った瞬間、次々と言い始めた。

「…俺も同感だ。何故女なんだ…?」

「これまで男ばっかだったのに、いきなり…?」


確かに…

どうして、私…?


『お前、俺の女になれよ。』


俺の

女…?

つまりー?

俺の女…とは?

恋を1度もした事がない私には全く分からなかった。


色々と考えていると、number oneが口を開いた。

「莉華が入りたいって言ったから。」

…⁉︎

いや、言ってませんけど…⁉︎

何か空気悪くなるの嫌だったから仕方なく入っただけですけども…⁉︎

な〜にを勘違いしていらっしゃいます…⁇

「…お前が名前呼びなんて珍しいな。どうしたんだ?」

「確かに〜、何かありそうだよね〜‼︎」

「怪しいな…?」

number oneはしまったという顔で3人から目を逸らす。

…何か可愛いな。

number oneって、こんなとこもあるんだなぁ。

いいものゲットしちゃった‼︎

「いや…なんでもねぇし…。」

number oneは力無くそう言った。

「えぇぇ〜?隠さなくても、いいんだよ〜?例えば、その子の事が好きとk…‼︎」

突然number oneが男子の口元を手で塞いだ。

「それ以上喋るな。喋るんだったら殺す。」

な、何か物騒な事、言ってる…。

「あ〜、はいはい。そ〜ゆ〜ことね‼︎何かおかしいと思ったんだ〜‼︎」

何故かnumber one以外の3人がニヤニヤと笑っていた。

…?

何がおかしいんだろ?

あと、あの人が言いかけた

すき

って…?

…あぁ‼︎今度皆でスキーに行くつもりだったのかな?

うん。

多分そうだよね‼︎

「おい、莉華。」

「は、はい何ですかnumber o…‼︎」

…はっ⁉︎

言ってしまった…っ

いつもの癖でっ…‼︎

「…number one?」

かあぁぁっと顔が熱くなるのが分かった。

「…莉華。俺は一ノ瀬零だ。」

「…いちのせ、さん‼︎」

あれ…?
何か不満そう…?

「…零」

えええ⁉︎

名前で‼︎
しかも呼び捨てでと‼︎

さすがに呼び捨てはー‼︎

「…れ、れい、さん‼︎」

「…合格。でも、絶対呼び捨てで呼ばせるから。」

どきっ

な、なんなの⁉︎

「あの〜、お2人さん?生徒会室でイチャイチャしないでもらえますk…」

「「してない‼︎」」

そんなこんなで、私は生徒会の一員となりました。


「じゃあ、自己紹介するね〜‼︎」

「僕は、日南玲音(Hinami Reo)だよ〜‼︎宜しくねっ‼︎」

可愛い系男子。女子力高め‼︎

「俺は、冷泉蒼(Reizei Aoi)だ。宜しく。」

クールなかっこいい系男子。でも、零さんとは少し違う。

「俺は、風早海(Kazahaya Kai)。…宜しくね。」

優しそうなのに、何故か少し闇を感じる、爽やか系男子。何かをこの人から感じるような…。

「俺は、一ノ瀬零。これから宜しくな。」

相変わらずかっこいいなぁ。

イケメン…

「わ、私はっ…くっ、来栖莉華、ですっ‼︎よ、よろしくお願いします‼︎」

緊張して、噛みまくってしまった。

「あはは。莉華ちゃん噛みすぎ‼︎」

玲央くんが私を指さして笑った。

も、もうっ‼︎酷いよっ。

「…フッ。面白いな。」

あれ…?
蒼くんまで…⁉︎

「天然ちゃんだね〜。」

海くんまでからかってきた。

私はむすぅっとした。


すると、零さんの腕がこっちに伸びてきた。
そして、私の頭を撫でた。

「っ‼︎」

突然のことに驚いたけれど、零さんの手は、優しくて温かかった。

なんか、嬉しい…かも?

…って、何変なことおもってんだ私‼︎
しっかりしろ〜‼︎

number oneは私に『俺の女になれ』とか変なこと言った狼なんだから‼︎
そんな人に、



そんな人に…



わ、私が惚れるわけ、ないんだからっ‼︎


「莉華…可愛いな。」



ふえ?

今、何て言った?

えっと、

『可愛い』

って…



は⁉︎

可愛い⁉︎

私が⁉︎

零さん…目が腐ってるんじゃ…‼︎


いやいやいや。

ぜっったいに聞き間違いだ。

100%聞き間違い‼︎

「莉華、生徒会に入ったからには…もう逃がさないからな?」

…?

どういう意味〜⁉︎