「はい、そうなります。でも、詳細をお話しする前に改めて四天王について説明しますね」

 そう言って、ルーシーさんは一本指を立てた。

「四天王とは────魔王の持つギフト『超進化』によって、改造された人間(・・)のことです。別名魔族とも呼ばれる彼らは魔王の配下の中でも飛び抜けて強く、高い知能を持っています」

 『魔物の比じゃない』と語り、ルーシーさんは少し表情を険しくした。

「まともに()り合えば、こちらもそれなりの痛手を負うことになるでしょう。ただ────会議の時にも説明しましたが、四人ともまだ完全ではありません。つまり、まだ成長途中ということ。魔王が世界の滅亡を先延ばしにしてきたのも、配下の成長を待っていたからです」

「なるほど……それで、ここ数十年はなりを潜めてきたのか」

 納得したように頷いた兄は、自身の顎を撫でる。
────と、ここでリエート卿が手を挙げた。