ロジャーは腕のいい調教師だ。
どこの厩舎でも引く手数多だろう。
それでも———
馬はいつでもテスのよき友人だった。
そのたてがみを撫で、艶やかな首に手を回して頬を寄せるだけで、もの言わぬ友にどれだけ慰められたことだろう。
実直なロジャーはテスの両親の代から、ヒースクレストの厩舎で働いているのだ。
自分は馬たちを失い、そしてロジャーはヒースクレストでの職を失ってしまう日が来たら。
どころか祖母と二人、ヒースクレストから追われることになったら。
自分ははたして顔を上げて生きていけるだろうか。
どこの厩舎でも引く手数多だろう。
それでも———
馬はいつでもテスのよき友人だった。
そのたてがみを撫で、艶やかな首に手を回して頬を寄せるだけで、もの言わぬ友にどれだけ慰められたことだろう。
実直なロジャーはテスの両親の代から、ヒースクレストの厩舎で働いているのだ。
自分は馬たちを失い、そしてロジャーはヒースクレストでの職を失ってしまう日が来たら。
どころか祖母と二人、ヒースクレストから追われることになったら。
自分ははたして顔を上げて生きていけるだろうか。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)