「逃げても無駄ですよ。家はすでに警察が取り囲んでいますし、この近くにもすでにいるはずですから。
これまでの罪をちゃんと償ってください」
「っ、ふ、風花、父さんが悪かったっ。だからっ、警察は勘弁してくれっ、な?」
「わ、私だって本当は…、あなたのことを大切に思っているのよ?
でも、私もこの人に逆らえなくて仕方なく…」
「何を言ってる!最初に風花を叩いたのはお前だろう!?」
「違うわよ!あなたが最初に蹴りつけたんじゃない!!」
この期に及んで罪の擦り付け合いをする二人を見て、もう本当に縁が切れたと思った。
「風花、俺はこの二人を絶対に許すつもりはない。
でも腐ってもこいつらはお前と血は繋がってしまっている。
犯罪者の娘になりたくないのなら、お前が望むなら、手加減することもできる」
復讐しないとまでは言わないのが、先輩らしいと思った。



