「っ、失礼だぞッ、私がどれだけ貴様の会社に援助したと思ってるんだ!?」
「あなたの息子と娘を結婚させれば私が社長になれると思ったが、あなた方の会社よりも藤岡の方が大きい。
きっと藤岡との契約を取りつければ、誰も文句なんて言えやしないだろう」
「ッこの、恩知らずが!」
顔を真っ赤にした相手は、殴りかかる勢いで、机を乗り出して来る。
「あの、何か勘違いをされているようなので訂正します。
私が迎えに来たのはあくまで風花さんです。
会社への援助など、一言も言っておりません」
「し、しかし、風花は私の娘ですよ!何の見返りもなしに渡すなんて…」
「風花を自分の所有物扱いしないでいただきたい。不愉快です」
先輩は父を睨みつけて黙らせる。
「あなた方に風花の親を名乗る資格はありません。風花の人生は風花自身のものです。
親であろうと、子供の人生を操る資格などありません」



