「風花、この方とはどういう関係なんだ?」
父が厳しい顔で問いかけてくる。
「お父さんたちが別れろって言った、高校の時の彼氏だよ」
「その相手が藤岡ホールディングスの跡取りだったのか!?」
「どうしてもっと早く言わないの!」
「私も知らなかったから…」
「藤岡ホールディングスに嫁入りだなんて、桁違いのお金が手に入るじゃないの!」
両親は目の色を変えて、夢見心地といった表情をしている。
対して、相手の家族は怒りの形相でどういうことかと詰め寄ってくる。
「ちょっとっ、彼氏ってどういう事よ!?その時にはうちとの縁談が決まっていたはずよ!」
「そうだぞ。もし破談になるようなことがあったら、そちらの会社への援助は打ち切るからな!!」
父は一瞬焦った様子を見せたが、すぐに余裕の笑みを浮かべる。
「構いませんよ。なんてったって、私は藤岡ホールディングスの社長と繋がりが出来たんですから」



