視える私の見える好き


「その制服ってX海高校?」
「は、はい。」

自分の制服の学校の名前を言われて思わずドキッと怖くなるが、怖くなったのは金髪の男の子が叫んだから。

「あぁ!?あの渡辺トモの学校じゃねーか!何?アイツの知り合い!?」

大きな声に思わず返事が出来ず、首を左右に振るだけしか答えられない。

「ゆうま、あんまりデッケー声でびびらせんなよ。眼鏡ちゃんが怖がるだろ。」

悠紀くんが私の眼鏡姿を見てそう呼んでくれたのだが、せめてコンタクトをつけてくれば良かったと少しだけ後悔する。

金髪の男の子が悠紀くんに注意をされた事に少し面白くない顔をしながら、私の顔をジロジロ見てさっきよりも声量を控えめにして話しかけてくる。

「で?何?何か用事?」
「え……あの……。」
「俺たちお前に構ってる暇ねーんだけど?つかX街の奴がこんな所歩いてるとか馬鹿なの?それとも仕事?」


金髪の男の子が言った台詞に【仕事】のワードが聞こえ、とりあえずその言葉をそのまま返す。

「……仕事です。」

返した台詞が失敗だったのか、三人共ビックリした顔をして私の顔をジロジロ見てくる。
悠紀くんですら、前髪であんまり見えない筈なのに驚いた表情が感じてとれる。

「いや、でも眼鏡ちゃん、さっきミカン爺に声かけられてビビってたじゃん。本当に仕事?」
「そう……です。でも次は、頑張ります。」
「いや、まぁ。お好きにって感じだけど、X街の方がよっぽど普通の仕事あると思うけどなんでわざわざY地区で。」