今年は二月の中旬頃から雨の日が多かった。

午前中にどれだけ晴れていても、午後には突然どんよりと曇り始めて、下校する頃には大粒の雨、なんてこともしょっちゅうだったから折り畳み傘が手放せなかった。

三月に入っても一週間の半分は雨が続いて、
去年に比べて桜が満開になるのもずいぶん遅い気がした。

それが突然の快晴。
明け方まで降り続いたせいでアスファルトはびしょ濡れのまま、右側の頭上からは初夏くらいの温度で陽射しが降り注いでいる。

顔の右半分だけ焼けちゃいそう…。

春になって、どんどん夏に近づいていくたびに、
ファンデーションの「SPF配合」にどれだけの信憑性があるのか考え込んでしまう。

ようやくやってきたバスに乗り込んで、座席を確保してから、ふーっと一息ついた。

制服のブレザーを脱いで、シャツの胸元をパタパタして風を送り込む。

今日は本当に気温が高いみたい。
家を出る前は肌寒い気がするのに、外より室内のほうが寒いみたいで不思議だ。

一年生のときは今頃はまだ入学したてで、毎日バスに乗り込むたびにちょっとドキドキしていたけれど、
新学期の始業式を終えたばかりの二年生の私は、
この通勤ラッシュにはとっくにうんざりしている。