「ね、もう終わりにしていいんだよ?」

「なんで?」

「しんどいでしょ」

「しんどいって?」

「私とこうやって…ダメになってくの」

くちびるとくちびるが触れ合う。
かすめるだけのぬるいキス。

目は笑ってなんかないくせに、
口角だけを上げて、彼は笑ったフリをした。

「離れたら死んじゃうかも」

「大袈裟だよ。このままずっと…このままのほうが死んじゃうかも」

「だったらこのまま死んじゃいたい」

「え?」

「ゆめが俺を求めてくれてるなら。居なくならないうちに、このまま死んじゃいたい」

「ばかだよ」

「そうかな?」

「うん。すっごくばか」

「それでもいーや。大好きだよ」