腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

ドレスはウェディングドレスではない。

披露宴用のドレスだから、そんなに豪華にはしていない。

なぜなら、こんなところで着るわけにはいかないからだ。



「蓬ちゃん」

「白斗様、お待たせいたしました」



笑顔で待ち構えている桜小路白斗に笑顔を向けた。

普通、自分より何十歳も下の小娘をちゃん呼びする? 気持ち悪い。



「じゃあ、そろそろ行こう」

「ええ」



でもここで、さようならよ。

ドアが開き、二人で入る。

拍手が飛び交う中、イスに座った。

そして、着々と事が進んで行く。

───ついに、目的の時間だ。

花嫁のスピーチ。

この時間で、私は積年の恨みを果たす。



『花嫁様のスピーチです』



司会者の言葉に、拍手が巻き起こった。

今日この場には、財閥界隈では有名な偉い人、取引会社の人が来ている。

私はマイクを手に取り、紙を開いた。