腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「うん、わかんない」

「っ、は?」



想像していなかった回答に、穴をつかれたような顔をした。



「わかんないよ。君の言う通り、“恵まれてる”から。でも、蓬は本当に恵まれたと言える?」

「……何言ってるんですか。当たり前でしょう。周りからチヤホヤされて、人気者で。親からも、周りからも信頼が厚くて、幸せに包まれてる。これのどこが恵まれてないんですか」

「……はぁ」



この姉妹は本当にそっくりだな。

互いを想う気持ちが行き過ぎて、しかも誤解を生んで。



「じゃあ、なんで君は進級できてる?」

「は……?」



どれだけ蓬が身を削って来たかも知らずに。



「この学園ではどれだけテストの点数が高かろうとも、出席日数、内申点がそれ相応になければ進級できない。でも、不登校の君は進級できてる。なんで?」



橙華は、口を閉ざした。

必死に考えを探すために。