放課後、また、海斗が教室に来た。

「な、何よ。海斗…。」

怒っているのに。

海斗の顔が見たいのに。

目、合わせられない。

「何って、恋を教えて欲しいって言ったの、また忘れたの?」

「そんなこ…」

「じゃ、手繋ぐ?」

「や、やだよ…。」


やだって言ったのに。

抵抗したのに。

海斗は聞いてくれなかった。


無理矢理手を繋いできた。

「ひゃっ…‼︎」

突然のことに、驚いて変な声を出してしまった。

「何その反応。誘ってんの?くそ可愛いんだけど。」

「ひゃ、なに、言って…」

「ねぇ…朝言ったこと、本気だから。」

あさ、

言ったこと…?

『莉亜の彼氏です』


「〜っ⁉︎な、な、な何言ってるの⁉︎海斗⁉︎」

でも、海斗は真剣な表情だった。

本気、なの…?

こんな私なのに?
どこがいいの?

もっと可愛い子にしなよ。
絶対、後悔するよ?

「…何で私なの?私なんて可愛くもないし、地味だし、何にも出来ないし。何で私なんかが良いの⁉︎もっと可愛い、優しい子にしなよ。どうせ、私なんて…。」

「…メガネ、とってよ。」

メガネ…?

「…え?い、いい、けど…。」

メガネをとった私を見て、海斗は驚いたような表情をした。

な、何なの?

…あぁ、やっぱり。

メガネをとっても不細工だから、

ガッカリしたんでしょ。

メガネをとったら美人って…

そんあ少女漫画みたいなこと、ありえる訳ないじゃん。

「…やっぱり。」

…不細工なんだよね。ごめんね。こんなんで。

「莉亜、可愛かったんだね…。」

うん。そうでしょ?
不細工でs…

…え?

いま、

可愛い

って…

いや、そんな都合のいい空耳聞こえる訳ないよね。

疲れてるのかな。


「莉亜、もっと自分に自信持って?…あと。僕の、彼女になってください。」

「ほら、鏡見て。莉亜は、可愛いよ。可愛くないなんて言っちゃダメ。」