授業中、愛那の方をチラッと見た。
いつもならニコってしてくれるのに、

目があっても無視された。

仕方がないから、メールをしてみた。

『さっきはごめんなさい。話がしたいから、放課後教室に残ってくれないかな?』

でも、

既読はつかなかった。

あ、そっか。
もう、嫌われちゃったんだ。

私は心の中で涙を流した。


放課後、皆がいなくなってから、1人、教室で考えた。



って何だろう。



が分かったら、愛那と釣り合うような人になれるのかな。

それなら知りたい。

「…恋って、何なの、?」


私の小さな独り言を、静かな教室が飲み込んだ。

「分かんないなら、僕と付き合ってみない?」

ーっ‼︎
誰かいたの⁉︎

嘘…。

「誰ですか…?」

「僕?水瀬 海斗(Minase Kaito)」

「海斗…さん。あの、何でしょうか?」

「だから〜、莉亜ちゃん、僕と付き合ってみない?」

…っは?

「…あの、何言って…?」

「だって、恋が知りたいんでしょ?」

「それは…」

「なら、僕が教えてあげる。ただし、条件を聞くって言うんならね。」

…ごくり。

愛那と仲直りするためなら何だってしいてやる〜‼︎

「わ、分かりました。やります‼︎条件を呑みます‼︎」

海斗さんは不敵な笑みを浮かべた。

「いいよ。じゃ、成立だね?莉亜ちゃん。」

「お、お手柔らかに…」


私の恋(?)が始まった瞬間だった。