私の言葉は、不意にぐるっと上向きになって、素早く私を捉えたジョーによってかき消されていた。
 気付いたら、私はジョーの熱い胸板に、ぎゅっと抱き寄せ押さえつけられている。どぎまぎして逃げようとするが、ジョーの力で押さえつけられたら身動き一つ取れない。

「俺のせいだ。俺が弱いから……」

「いや、ジョーが弱いとかふざけてるの?」

 必死で抵抗する私だが、やっぱりジョーには勝てないらしい。ジョーはそのままぐるっと体勢を変え、私をベッドに押さえつけて覆い被さる。そしてまた、唇を重ねた。

 ジョーの熱い口付けは、次第に唇から首へと下りていく。ジョーのキスした部分が熱く、思わず身を捩ってしまった。

「ジョー……やめてよ……
 恥ずかしいよ……」

 真っ赤な顔で抵抗するが、ジョーは切なげに告げた。

「今すぐ、抱き潰してしまいたい……」


 ジョーといると危険だ。
 ジョーは日に日に甘くなっていき、私がオストワル辺境伯領に残った日から、さらに数段甘さが上がってしまった。
 もちろんジョーのことは好きなのだが、この溺愛に耐えられるだろうか。私はこうも全身で、ジョーに甘く震えている。