う。これは朝から心臓に悪い……。


「あっ、あの、海斗くん。ここ教室……」

「……あ」


私の声に、ハッと我に返った様子の海斗くん。


「わ、悪い! 俺、希空が気になって。つい無意識で……」


頬をわずかに赤らめた海斗くんが、私から慌てておでこを離した。


ああ、ドキドキした。


私が席に着くと、ふと視線を感じたのでそちらに目をやると。


平野さんをはじめとする海斗くんファンの女子たちが、鋭い目つきで私を睨んでいた。


ひいっ。こ、怖い。


この間の体育館裏でのことを思い出した私は、身震いしてしまう。


平野さんたちに、このまま睨まれ続けるのは嫌だけど。


それでもやっぱり私は、海斗くんとこれからも仲良くしたい。できれば、陸斗くんとも……。


そう思うのは、我儘なのかな?


ああ、でもいずれは、どちらかの告白を断らないといけないんだよね。


二人と、ずっとこのままの関係でいられたら良いのに。


双子とこれからも仲良く友達でいられたなら、陸斗くんも海斗くんも、どちらも傷つけずに済むのに……。