それから陸斗くんは、私の怪我の手当の続きをしてくれた。


「はい、おしまい」


消毒した手のひらに陸斗くんが絆創膏を貼ってくれて、手当は終了した。


「怪我、早く治ると良いね」


陸斗くんが私の手を持ち上げると、絆創膏の上から軽くキスを落とした。


「へ。陸斗くん!?」

「希空ちゃんの怪我が早く治るように、おまじないだよ。本音を言うなら、こっちにキスしたいんだけど……」


陸斗くんの人差し指が、私の唇にちょんと触れる。


「今日は、ここで我慢しておくね」


そう言うと陸斗くんは、今度は私の手の甲にチュッと口づけた。


なんだろう。告白された途端、陸斗くんが急に甘い気がする。



──それにしても、まさかこんな平凡な私が学校の人気者である相楽兄弟の両方から想われていたなんて。


夢みたいな話に有難く思うのと同時に、さっきから頭の中は混乱するばかりで。


私は今、陸斗くんと海斗くんのどっちを好きなんだろう。


双子のどちらも嫌いじゃないのは確かで。


ああ……私は、一体どうしたら良いのだろう。