「まったく希空ったら。話を聞いてないなら聞いてないって、はっきり言ってよね」


香澄ちゃんが、ほっぺをぷくっと膨らませる。


「ていうかさ、希空もあたしの話そっちのけでじっと見ちゃうくらい陸斗くんのことが好きなら、いい加減告白しちゃえばいいのに」

「えぇ! こっ、告白!?」


いきなり何を言いだすの、香澄ちゃん。


「告白なんてそんなの、むっ、無理に決まってるじゃない!」


私は、ブンブンと手をふる。


「それに、もし仮に告白したとしても振られるのが目に見えてるよ」


だって陸斗くんは、全校女子憧れの王子様だし。


「そんなの、告白してみなきゃ分からないよ。
だって陸斗くん、希空に会うといつも挨拶してくれるし。この前だって、希空にブレザー貸してくれたんでしょう? これは脈アリだと思うけどなぁ」


そう……なのかな?


「えっ! リマちゃん、今日の昼休みに陸斗くんに告白するの!?」


すると突然、女子たちの大きな声が聞こえてきた。