ああ。さっきの相楽くん、なんだかちょっと怖かった。


まさか、あんなあからさまにイライラされるなんて。


しかもなんか、キツく睨まれちゃったし。


あの切れ長の瞳に睨みつけられたいとか、殺されたいっていう訳のわからないファンの子たちもいるみたいだけど……。


私は、さっきの相楽くんのあの射るような目つきはちょっと苦手。


「希空ちゃん、さっきは弟が本当にごめん」


陸斗くんが私に両手を合わせる。


「ううん。陸斗くんが謝ることないよ。私が、ぼーっとしてたのがいけなかったんだろうし」


相楽くんは、教室で私にたまにちょっかいを出してくるかと思えば、今日みたいになぜかすごくイライラしてるときもある。


よく分からない人だ。


もし私が相楽くんに何かしたっていうのなら、ほんと教えて欲しいよ。


私は、そっとため息をついた。