「えー、では早速会議を始めます。よろしくお願いします」

時間になり、経営戦略部マーケティング課のメンバーが取り仕切り、話し合いを進めていく。

私の働く会社は、カナダが発祥のコーヒーチェーンの日本法人だ。

名前を知らない人はいないだろうと言われるほど有名なチェーン店で、様々な種類の本格的なコーヒーの他にも、お子様向けのドリンク、スイーツやセイボリー、オリジナルグッズも販売している。

「今日は夏のコールドドリンクについてです。大まかに2点。まずは、凍らせて砕いた抹茶やいちごのポーションをグラスいっぱいに入れ、そこに少し温めたミルクを注ぐクラッシュアイスシリーズ。昨年好評でしたので、今年も同じような物を改良し、フレーバーのラインナップを増やしたいと考えています。もう1点はフローズンシリーズ。通年展開の物の他にも、夏らしい、例えばレモンやソーダ系はどうかな?と考えています」

それを踏まえて、みんなで忌憚なく意見を出し合う。

同業他社の動きや、世間の流行を考慮し、今年はクラッシュアイスシリーズのいちごやマンゴーに、果肉を混ぜることになった。

抹茶にはあずきを載せ、写真映えするような盛り付けにする。

フローズンシリーズは、レモンやソーダフレーバーに、カラフルで小さなドットアイスを混ぜるのはどうか?と意見が挙がり、私達の商品開発課に試作を頼まれ、会議は終了した。