「久我くん、新商品を載せたメニューと店内掲示のポップ、実物ができあがったので最終チェックお願いします」

「分かりました」

真面目に淡々と仕事をこなす日々。
デキル2人の関係は、よそよそしいただの同僚になっていた。

(仕方ないじゃない。私は結婚する身だし、若い久我くんにはもっとお似合いの子と恋愛して欲しいもん。私とは別の世界で、幸せになって欲しい)

今は辛そうにしてるけど、そのうちケロッと忘れるだろう。

そしてホッと安心するはずだ。
私なんかとつき合わなくて良かったって。

うん、そうに違いない。
きっと1週間も経てば元気になるよね。

だが、久我くんは私の予想に反して、2週間経っても1か月経っても、固い表情のままだった。