◇
放課後、朝陽くんと柚と3人で帰路についた。
夏樹くんは部活へ行き、高月くんは“塾があるから”と先に帰ってしまったのだ。
「ねぇ。一応さ、寝る時間合わせといた方がよくない?」
何気なく放たれた柚の言葉にはっとする。
「確かに! タイミングがずれたらみんなと会えないかも……」
「てか、そもそも“夢”ってことはさ、眠らなければ見ずに済むってことじゃないの?」
つまり、殺されずに済む────。
朝陽くんの言うことは十分にありえそうだった。
「ま、でもまだ今夜もその夢見るって決まったわけじゃないからねー。あれだけ色々話したけど」
柚は「だから」と続ける。
「確かめる意味でも今日は寝てみるべきかなって」
わたしは口をつぐんだまま視線を落とした。
みんなであれこれ考えたけれど、結局すべて憶測だ。
確かなことなんて全然ない。
いくら夢の中でも死にたくなんてない。
だけど、リミットが存在するのなら、嫌でも積極的にならざるを得ない。
やがて岐路にさしかかると、足を止めた柚がわたしたちを振り返った。
「じゃあ寝るのは11時ね。ふたりにはあたしから連絡しとく」
「……分かった」
「じゃまたあとで」
きびすを返した彼女に手を振り返す。
遠ざかっていく背中を眺めてから歩き出したとき、朝陽くんがぽつりと呟いた。
「何か……すごいね、小日向さんって」
驚き半分、感心半分、といった具合だ。
わたしは小さく笑う。
「うん、そうなの。柚っていつも明るくて強いんだ」
初めて話したときから、内気なわたしとはまるで正反対だった。
さっぱりしていて、きらきらの笑顔が眩しい、向日葵みたいな女の子。
何事にも臆することのない強さを、いつでも遺憾なく発揮していた。
「────日南は変わってなさそう」
ふとこぼされたひとことに、弾かれたように顔を上げる。
こちらを向いた朝陽くんは、目が合うとふっと笑った。
放課後、朝陽くんと柚と3人で帰路についた。
夏樹くんは部活へ行き、高月くんは“塾があるから”と先に帰ってしまったのだ。
「ねぇ。一応さ、寝る時間合わせといた方がよくない?」
何気なく放たれた柚の言葉にはっとする。
「確かに! タイミングがずれたらみんなと会えないかも……」
「てか、そもそも“夢”ってことはさ、眠らなければ見ずに済むってことじゃないの?」
つまり、殺されずに済む────。
朝陽くんの言うことは十分にありえそうだった。
「ま、でもまだ今夜もその夢見るって決まったわけじゃないからねー。あれだけ色々話したけど」
柚は「だから」と続ける。
「確かめる意味でも今日は寝てみるべきかなって」
わたしは口をつぐんだまま視線を落とした。
みんなであれこれ考えたけれど、結局すべて憶測だ。
確かなことなんて全然ない。
いくら夢の中でも死にたくなんてない。
だけど、リミットが存在するのなら、嫌でも積極的にならざるを得ない。
やがて岐路にさしかかると、足を止めた柚がわたしたちを振り返った。
「じゃあ寝るのは11時ね。ふたりにはあたしから連絡しとく」
「……分かった」
「じゃまたあとで」
きびすを返した彼女に手を振り返す。
遠ざかっていく背中を眺めてから歩き出したとき、朝陽くんがぽつりと呟いた。
「何か……すごいね、小日向さんって」
驚き半分、感心半分、といった具合だ。
わたしは小さく笑う。
「うん、そうなの。柚っていつも明るくて強いんだ」
初めて話したときから、内気なわたしとはまるで正反対だった。
さっぱりしていて、きらきらの笑顔が眩しい、向日葵みたいな女の子。
何事にも臆することのない強さを、いつでも遺憾なく発揮していた。
「────日南は変わってなさそう」
ふとこぼされたひとことに、弾かれたように顔を上げる。
こちらを向いた朝陽くんは、目が合うとふっと笑った。



