今はその優しさが暖かく、どうしようもなく辛かった。
「あ、であと長らくお待たせしてごめんなさい。企画書もってきました」
さっき朔夜くんに返してもらった企画書の入った封筒をみんなの前にだす。
そういえば、なんの企画なんだろう。なにも聞いてないんだよね。
「ああ、ありがとう。じゃあ早速もうこの企画の会議に入ろうか」
「「はい!」」
……生徒会役員のみんなががんばってるのに私だけ別のことを考えてるのはだめ、だよね。
切り替えだ、わたし!
「では、いまからDeftの解体についての企画を始めます」
え、
待って。今陽向くん、『Deft解体』って言った?
だめ、だよ。
だってDeftに助けられてる人もいるし、なにより朔夜くんが大切にしてる組織なのに。
「計画について説明します、……」
足りない頭で必死に追いかけた情報を要約するとこうらしい。
校外にある暴力集団があるので、そこをDeftの名前を使って呼び出し、反撃したところのビデオを撮って警察に通報する、とのこと。



