「おねがい、みほ。朔夜のものにならないで……」
悲痛、すぎる声。
小さいのに震えている声が心臓を震わした。
「ひ、陽向くん。落ち着いて、」
「っ、おねがい約束して……」
「……うん。わたしは朔夜くんのものにならない、よ」
自分でそう言った、のに。
きゅう、と心臓が痛いほど収縮したのが分かる。
なんで、わたしこんなにショック受けて……。
「……ごめんみほ、こんなことして」
ゆっくりと、陽向くんの熱が離れていく。
動揺している顔はさっきより少し穏やかになった気がした。
「ううん、気にしないで」
突然の出来事にびっくりしながらも弱っている陽向くんを傷つけないようにそういう。
なんとなく気まずい空気のなか、2人で歩き始めた時、
「……生徒会長と生徒副会長さんが学校内で、ねぇ」
地を這うように低い声が聞こえた。
「え……」



