キスしてよ、罠でもいいから





どく、と心臓がなった。
生徒会の人たちに朔夜くんと同居することになったことは言ってないし口が裂けても言えない。


だけどこの一週間、特に気にせずに朔夜くんと普通に話してた。
もちろん企画書の交渉はしてたけど!(返してくれなかっただけで)


ああ、でもそっか。
生徒会でも個人的にも敵対してるDeftの総長と副会長の私が仲良くしてたら嫌だよね。


実際、目の前の陽向くんは大きな瞳を不安げに揺らしている。


……うーん、朔夜くんも最初は極悪人だと思ってたけど実は優しい人だと思い始めてるんだよね。

とは言ってもそれは同居してるわたしにしか分からないことだから生徒会の人たち、ましてや陽向くんには特に理解して貰えない気がする。



「う、ん。仲がいいってゆーか、その、」


なんて表現したらいいのかよく分からなくて口ごもるわたしを見て、陽向くんは切なそうに顔を歪めて。



「……陽向、くん?」


瞬間、陽向くんに強く抱きしめられた。