キスしてよ、罠でもいいから



かわいいなんてめったに言われないし、まさか朔夜くんの口から出てくると思わなかったから頬がとてつもなく熱くなる。


それがバレたくなくて、朔夜くんの胸に頭を擦り付けた。


「もー、そーやって煽ることしない。さっきも俺ガマンしたのに」


ぼそっと独り言のように吐き出された言葉。

急に寝るなんて言い出したの、もしかして私が怖がってるのに気づいてくれた、のかな。


きゅん、と心臓が小さく脈打って幸せな気持ちに包まれる。


すると唐突に眠気が襲ってきた。
しばらくおなかが空いてちゃんと寝れてなかったからかなぁ。


もうぼーっとして朔夜くんの姿もろくに見えない。


「━━━━━ねえ、みほちゃん」


「なぁに?」


「もしみほちゃんが絵の具の黒色を白色にしたかったらどーする?」


「……うーん、白と混ぜるかなぁ。灰色にはなれる、から」