どう、しよう。
お母さんはあんなだからお金を返してと言っても聞かないだろうし。
大家さんにもさすがに申し訳ないし。
もういやだ……。
『ぶっ壊れそうになったら俺んとこ来なね』
頭の中に響く朔夜くんの声と、浮かぶ不敵な笑み。
どうか、してたんだと思う。
もうどうにでもなれって心の中で思ってしまった。
かるーく荷物だけをまとめて。
ふらふらとした足取りだけど、でも確実に。
私は操られたかのように、マンションをあとにした。
.☆.。.:*・°
そして、今。
「きみ、生徒会の子だよね」
目の前には隣のクラスの男の子。
確か名前は、天羽日翔くん。
Deftの幹部で有名、だったような。
はい、つまり大ピンチです。
朔夜くんがいない今、私は敵対してる組織の拠点にわざわざ来た馬鹿な女になっている。
目の前にはこの前朔夜くんと会った巨大なマンション。



