話さないといけないけど、なにをされるか分かったもんじゃない。


目の前には心配そうにこちらを見つめる2つの瞳。

朔夜くんとはちがって驚くほどに茶色に澄んでいる。



ああ、感情に任せていえたらなんて楽なんだろう、


「あの、ねじつは……」


「あれー、ぐーぜん」


どくり、と心臓が嫌な音を立てる。


今度は似てる声でもなんでもない、恐ろしいほどに低い声が響いた。



夕日を背景に目を細く薄める彼は、


━━━━━━間違いなく、朔夜くん。



「朔夜、」

陽向くんが私を守るように1歩前に出て手を広げる。

そんな行為に朔夜くんは眉を少しだけ動かした。


「……いらつく」



聞こえるか聞こえないかギリギリの声でいったあと、


「またおいでね、みほちゃん」


すれ違いざまに耳元で呟いてきた。



低い声にぞくりと背筋が凍る。
なんで、なんでここに朔夜くんが、