薄ーく笑ったその人。
たったそれだけ、なのに。
ぞく、とした確かな恐怖が背骨から頭を駆け抜けた。
「あ、……」
呆然としている間に再び繋がれる手。
今度はさっきとは違って、1本1本確実に絡め取られていく。
それが楽しいようで、朔夜くんは黒すぎる瞳をゆるーく目を細めてる。
「あは、捕まっちゃってんじゃん」
今度はさっきまでとは違って挑発するような言い方。
でもその言動にさえ、返せる言葉がない私は人形のようにただ時間が過ぎるのを待つだけ。
━━━━━━やっぱりこの人、絶対的な王様だ。
王様、っていうかそんなに綺麗なものじゃない。
もっともっと濁った帝王、のような闇の力が私に言うことを聞かせてくる。
「ほら、ついといで」
最後の帝王の明らかに甘くなった一言に、
ただの一般人であるわたしが逆らえるわけがなかった。
「あ、さくくんだ!この前はありがとう!」



