キスしてよ、罠でもいいから



不服です、と見せつけるように上を見るけど、それすら面白そうに笑った朔夜くん。

……この人、本当に読めない。


「じゃあちょっと着いてきて」


「え、ちょ、」


さらりと手を引かれて歩き出す。

目の前で揺れる朔夜くんのパーカーのフード。


うう。なんでもいうこと聞くって言った以上、反抗できないのが悔しい。


「ほら、そんな顔してるとせっかくの可愛い顔がダイナシですよー」


「っ〜〜!」


さら、と甘い言葉を吐かれて、繋いでいる拳に力を入れられても無視!

だってDeftってすっごく女好きだって皆が言ってた。
思ってもなさそーな朔夜くんのセリフにドキドキする私なんて論外だよ!


そういう意味を込めてゆるく繋いでいた手をそっと離した。


「あれ、離しちゃった」


「……わたしをただの女の子だと思わないでください」


「へぇ、やっぱおまえ面白いかも」