キスしてよ、罠でもいいから



コンクリートで埋められた駐車場の周りも見るけど全くもってない。

どうしよう、本当にないよ。


途方にくれて、顔を上げると昨日わたしが偽名を名乗った人が映っている1枚のポスター。


そういえば昨日陽向くんの双子の弟、朔夜くんとあったのもこの場所……



「やっほーおごうみほ。昨日ぶり」 


「な、なな、」


驚いてろくに声がでなかった。

だって昨日いたあの人がここにまた現れたんだから。


「ね、さっきからあんた見てたんだけどさ。もしかして探してんのって、これ?」


目の前の男、高梨朔夜が手に待ってにっこり見せてきたのは間違いなく陽向くんの企画書。

さああ、と血の気が引く音がする。


よりによって、1番渡ってはいけない人の手に渡ってしまった。

やっぱり昨日わたしが落としてしまったんだ。

きっとそれを朔夜くんが拾ってくれて……、


「そそ、それです返してください!」