キスしてよ、罠でもいいから



私がもんもんとしているうちに、ゆっくりと生徒会長のイスに腰掛けた陽向くん。

こめかみを軽く抑える姿は、疲労が溜まっているように見える。


そういえば企画書、遅くまで頑張って作っていたなぁ。



「ひ、陽向くん。私ちょっと予定思い出したからちょっと抜けます……!」



「え、小郷さん、」

「みほ先輩!?」


心の中が陽向くんへの申し訳なさでいっぱいになって。


びっくりしている生徒会役員の人たちを尻目に、生徒会室を飛び出した。



‧✧̣̇‧



「っ、ない、」


━━━━━30分後。


私は昨日行ったコンビニに行って、陽向くんの企画書を探していた。


裏にあるかなー、なんて期待は甘かったみたい。

全然見つからないんだもん。



陽向くん、前からたくさん頑張ってくれてたのに……、私のせいだ。

なんの企画書かさえ詳しく知らないけど、陽向くんの努力の結晶であることは分かっているからこそ見つけたかった。